廃棄物等から熱エネルギーを回収すること。廃棄物の焼却に伴い発生する熱を回収し、廃棄物発電をはじめ、施設内の暖房・給湯、温水プール、地域暖房等に利用している例がある。
リユース、マテリアルリサイクルを繰り返した後でも熱回収は可能であることから、循環型社会基本法では、原則としてリユース、マテリアルリサイクルが熱回収に優先することとされている。
なお、熱回収はサーマルリカバリーともいう。
日本では廃棄物の焼却時に発生するエネルギーを熱や蒸気などとして回収することをサーマルリサイクルといい、発電、周辺施設の暖房や温水供給などに利用されている。容器包装リサイクル法で認められたガス化・油化の他、焼却熱利用、廃棄物発電、セメントキルン原燃料化、廃棄物固形燃料などがある。
プラスチックのリサイクル手法の主なものには、プラスチックでの再製品化であるマテリアルリサイクル(material recycling)や原料・モノマー化によるケミカルリサイクル(chemical recycling)などがあり、これらのほかにサーマルリサイクルが位置づけられている[1]。なお、廃棄物のガス化・油化はケミカルリサイクルであるが、それを燃料に使用する場合はサーマルリサイクルとして扱われる[1]。
循環型社会形成推進基本法では、廃棄物・リサイクル対策の優先順位を、
とし、経済財政諮問会議の「循環型経済社会に関する専門調査会」および産業構造審議会企画グループでは「サーマルリサイクルも有効なエネルギー回収手段としてマテリアルリサイクルと並んで位置づける」と提言している。