廃棄物処理業における新型コロナウイルス対策ガイドライン

体制の整備

新型コロナウイルス対策を講じる上では、経営トップが率先し、新型コロナウイルス感染防止のための対策の策定・変更について検討する体制を整える。

その際、感染症法、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の関連法令上の義務を遵守するとともに、労働安全衛生関係法令を踏まえ、衛生委員会や産業医等の産業保健スタッフの活用を図る。

また、国、地方自治体及び関係団体などを通じ、新型コロナウイルス感染症に関する正確な情報を常時収集する。

産業廃棄物収集運搬の際の対策

(作業前)
作業着に着替える時等には、他の人と十分な距離をとるとともに、更衣室の窓やドアを開けるなどして可能な範囲でこまめに換気する。

(作業中)
作業の合間に複数人が手を触れる可能性がある場所、廃棄物又は個人防護具の外面など、ウイルスが付着している可能性のある物に触れた場合は、手袋の表面や手にウイルスが付着している可能性があるため、手洗いや手指消毒をせずに目、鼻及び口等の顔の粘膜に触れないように注意する。

また、携帯電話、スマートフォン及びタブレットなど、通常であればウイルスの付着が想定されない箇所についても同様の注意を払う。
なお、熱中症のリスクがある場合には、こまめな休憩及び水分補給が重要であるが、その際にも手袋を外し手洗いや手指又は手袋の消毒を実施する。

(作業後)
作業車両(運転席等の車内(ハンドル、シート、シートベルト及びドアノブ等)を含む)、使用した個人防護具のうち繰り返し使う物及び持ち歩いた携帯電話、スマートフォン及びタブレット等を、次亜塩素酸ナトリウムや アルコール、新型コロナウイルスに有効な界面活性剤が含まれる家庭用洗剤、次亜塩素酸水、亜塩素酸水(等を用いた消毒等を実施する。

作業着を脱ぐ際や個人防護具を外す際には、裏返しで脱ぎ(又は外し)、マスク等の顔に着用する個人防護具を外す前に手洗いや手指消毒をする。個人防護具を外した後であって顔やその他のウイルスの付着が想定されない箇所を触る前に再度手指消毒をする。さらに必要に応じて顔を洗う。脱いだ作業着は洗濯する。

産業廃棄物処分の際の対策

(作業前)
作業着に着替える時等には、他の人と十分な距離をとるとともに、更衣室の窓やドアを開けるなどして可能な範囲でこまめに換気する。

 

また、施設内でのごみの積卸し作業、設備・装置・機器等の保守点検作業、清掃・洗浄等の作業を行う際にウイルスが粘膜などに付着することを防止するために、手袋、ゴーグル(又はフェイスシールドや保護眼鏡)及びマスク等の個人防護具を使用するとともに、長袖・長ズボンの作業着を着用する。

(作業中)
選別ライン等での対面での作業を避ける。
作業の合間に複数人が手を触れる可能性がある場所、廃棄物又は個人防護具の外面など、ウイルスが付着している可能性のある物や汚水等に触れた場合は、手袋の表面や手にウイルスが付着している可能性があるため、手洗いや手指消毒をせずに目、鼻及び口等の顔の粘膜に触れないように注意する。

設備・装置・機器等の運転操作室、運転管理室及び中央制御室等の窓やドアを開放し、常に換気されている状態を保つ。複数人が同室で作業する場合は、必ずマスクを着用する。

(作業後)
制御盤、操作盤のタッチパネル、ドアノブ及びエレベーターのボタン等の職員が共同で利用する設備・機器、使用した個人防護具のうち繰り返し使う物及び持ち歩いた携帯電話、スマートフォン及びタブレット等を、0.05%次亜塩素酸ナトリウムや 70%の濃度のアルコールを用いて消毒する。

医療関係機関等

医療関係機関や検査機関からは、新型コロナウイルス感染症の診断、治療、検査等に使用された医療器材等が感染性廃棄物として排出される。これらの感染性廃棄物については、「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に基づいて処理する。

医療関係機関や検査機関に対して、感染性廃棄物の排出に当たっては、感染性廃棄物の種類や性状に応じて適切に梱包するよう依頼する。

また、感染性廃棄物の取扱い方法については、感染性廃棄物処理マニュアル及び環境省が作成した資料16を参照することが有用である。

なお、医療関係機関や検査機関から感染性廃棄物を収集運搬する際には、電子マニフェストの使用等により、紙マニフェスト等の書類の受渡しや荷物の積卸しの際の関係する人との直接的な接触の機会を極力減らす。