産業廃棄物収集運搬業許可の取得後の注意点
産業廃棄物収集運搬業の許可業者の義務
産業廃棄物収集運搬業の許可業者には、廃棄物処理法によって課せられる義務があります。
許可を取得すると安心してそれらの義務を怠りがちですが、それらは産業廃棄物を適切に処理する為に運搬業者として最低限守らなければならないルールです。
その中から、許可取得後に特に注意が必要な事項を紹介します。
運搬車両への表示義務
許可業者は処理基準を遵守して廃棄物の運搬を行う必要がありますが、その基準の中に、運搬車両への表示および書面の備付け義務があります。
運搬車両への表示義務
以下の内容を車両の両側面に表示する必要があります(ステッカーやマグネットでの表示が多い)。
※自治体によっては条例により表示内容が追加されるケースがあります
書類の備付け義務
以下の書類を運搬車両に備付ける必要があります。
・産業廃棄物収集運搬業の許可証の写し
・産業廃棄物管理票(マニフェスト)
※電子マニフェストの場合、電子マニフェスト加入証、及び運搬する産業廃棄物の種類・量等を記載した書面、又はこれらの電子情報とその情報を表示できる機器
帳簿の作成義務
許可業者は、産業廃棄物の運搬状況を記録する為の帳簿の作成が義務付けられています。
帳簿は記載しなければならない項目が以下の通り定められています。
・収集又は運搬年月日
・マニフェストの交付者や交付日、交付番号
・受入先ごとの受入量
・運搬方法及び運搬先ごとの運搬量
・積替え又は保管を行う場合には、積替え又は保管の場所ごとの搬出量
また帳簿の保管義務や現場への備付け義務なども規定されています。
変更届等の手続き
許可業者は、以下の事項に変更が生じた場合、変更日から10日以内に変更届を提出しなければなりません。
届出は郵送でも可能で、各自治体のHPから変更届の書式をダウンロードできます。
なお、取り扱う産業廃棄物の種類を追加する場合は「変更許可」という許可申請が必要ですので、変更届出によって追加する事は認められません。
義務を怠った場合について
ここまで紹介した義務を怠った場合の罰則については以下の通り定められています。
・帳簿の未記載や虚偽記載、保管等の義務違反
・変更届の未提出、虚偽記載
⇒30万円以下の罰金(廃棄物処理法 第30条)
・運搬車両への表示および書類備付け義務違反
⇒直罰規定は無しも、処理基準違反として、事業停止処分等の行政処分の対象となる。
また自治体によっては独自の罰則規定あり。
これらの罰金刑を受けると、産業廃棄物収集運搬業許可の欠格要件に該当する事になり、許可が取り消される可能性がありますので、義務違反は絶対にしないようにしましょう。
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①収集運搬の用に供する運搬車である旨
②許可業者の氏名又は名称
③統一許可番号(下6けた)
※①は140ポイント以上、②③は90ポイント以上とする